絵本の旅人

「読み聞かせ」のための実践レポートです!

読み聞かせレポート

ゴムあたまポンたろう

『ゴムあたまポンたろう』 長 新太 作 童心社 1998年 あらすじと感想 あたまがゴムでできたポンたろうが山や大男のつの、おばけのあたまなどに当たって飛んでいきます。あたっては飛んでいく、それひとすじの絵本なのですが、変化球もあります。あたっても飛…

ロージー、はがぬける

『ロージー、はがぬける』 マリアン・マクドナルド 文 メリッサ・スイート 絵 松野正子 訳 冨山房 1994年 あらすじと感想 ぐらぐらしていたロージーの歯がついに抜けます。抜けた歯は枕の下に入れておく、というのがきまり。そうすれば歯の妖精がとりにきて…

ばらいろのかさ

『ばらいろのかさ』 アメリー・カロ 文 ジュヌヴィエーヴ・ゴドブー 絵 野坂悦子 訳 福音館書店 2019年 あらすじと感想 海辺の村にある一軒のカフェ「みずたまエプロン」。そこを切り盛りするのは愛らしく、キラキラ輝いてみんなに慕われるアデルという女性…

アンジュール

『アンジュール』 ガブリエル バンサン 作 ブックローン出版 1986年 あらすじと感想 この絵本には文字がありません。言葉がありません。クロッキーで描かれたスケッチ画のみでストーリーが展開されるのです。読むことも聞かす必要もありませんから、読み聞か…

まさ夢いちじく

『まさ夢いちじく』 クリス・ヴァン・オールズバーグ 作 村上 春樹 訳 河出書房新社 1994年 あらすじと感想 神経質で自分の飼い犬にも冷たい歯科医のピボット。ある日、歯を病んだおばあさんがやってきて治してあげます。ところがおばあさんはお金がなく、治…

アンディとらいおん

『アンディとらいおん』 ジェームズ・ドーハーディ 文・絵 むらおか はなこ 訳 あらすじと感想 図書館からライオンの本を借りてきたアンディ。夢中になって本を読み、頭のなかはもうライオンのことでいっぱいに。朝、学校へ行く途中、アンディはなんとライオ…

ルピナスさん

『ルピナスさん』 バーバラ・クーニー 作 掛川 恭子 訳 あらすじと感想 遠い国々の話をおじいちゃんからたくさん聞かせてもらった女の子。いつか自分も大きくなったら遠くへ行きたいと思います。「世の中を、もっとうつくしくするために、なにかしてもらいた…

かわっちゃうの?

『かわっちゃうの?』 アンソニー ブラウン 作 さくま ゆみこ 訳 評論社 2005年 あらすじと感想 やかんにしっぽや耳が生えてきたり、ルームシューズに羽が伸びてきたり、男の子の身の回りで不思議な変化が起こりはじめます。洗面台の排水口がくちびるになっ…

綱渡りの男

『綱渡りの男』 モーディカイ・ガースティン 作 川本 三郎 訳 2005年 小峰書店 あらすじと感想 ニューヨークで一番高いビル。400メートルもあるビルとビルの間を命綱なしで綱渡りしようとした若い男がいました。1974年夏のことです。男の名はフィリップ・プ…

鹿よ おれの兄弟よ

『鹿よ おれの兄弟よ』 神沢 利子 文 G.D. パヴリーシン 絵 Gennadiy Dmitriyevich Pavlishin (原作) 2005年 福音館書店 あらすじと感想 極東ロシアの狩猟民を題材とした大作です。狩猟の民は、動物の命をもらってその肉を食べ、骨や皮もあまさず生きる糧と…

神の道化師

『神の道化師』 トミー・デ・パオラ 作 ゆあさ ふみえ 訳 ほるぷ出版 1980年 あらすじと感想 ジョバンニはみなしごです。家もなく、人からの施しで生きてきました。でも、彼にはすばらしい才能がありました。曲芸(ジャグリング)です。そのおかげて八百屋さ…

いつもちこくのおとこのこ― ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー

『いつもちこくのおとこのこ― ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』 ジョン・バーニンガム あらすじと感想 学校へむかう途中、マンホールからワニがあらわれたり、茂みからライオンが出てきてかみつかれそうになったり……。ジョン・パトリック・ノー…

すきです ゴリラ

『すきです ゴリラ』 アントニー・ブラウン 作 山下明生 訳 あかね書房 新装版 2019年 あらすじと感想 ゴリラが大好きなハナ。一度は本物のゴリラに会ってみたいと思っている。でも、お父さんはいつも忙しくてぜんぜん動物園に連れて行ってくれない。だから…

サーカス

『サーカス』 高部 晴市 作 架空社 1996年 あらすじと感想これといったストーリーはありません。サーカス団がやってきて、サーカスがはじまります。大男があらわれゾウを持ち上げ、ピエロがでてきて玉乗りをします。箱男がなんでも食べて、魚男が金魚鉢に飛…

へいわってすてきだね

『へいわってすてきだね』 安里有生 著 長谷川義史 絵 ブロンズ新社 2014年あらすじと感想2015年に本屋さんが選ぶ絵本大賞(「Moe」主催)第1位となった作品です。与那国島に暮らす小学1年生(当時)の男の子、安里有生(あさとゆうき)君が書いた詩に長谷川…

あおい イヌ

『あおい イヌ』ナジャ 作 山中 きよみ 訳福武書店 1991年 あらすじと感想ある日、シャルロットという女の子のもとへあおいイヌがやってきます。毎晩、あおいイヌをなでてやりながらお話しをしてあげるシャルロット。すっかり仲良しになったシャルロットはお…

おしいれおばけ

『おしいれおばけ』 マーサ メイヤー 作 今江 祥智 訳 偕成社 1987年 あらすじと感想 自分の部屋にあるおしいれ。男の子は、夜寝るときにそこが気になってしかたないのです。そこには“あいつ”がいるのです。その子にとっていちばんこわい存在が。ある夜、男…

どろにんぎょう

『どろにんぎょう』~北欧民話 内田莉莎子 文 井上洋介 絵 福音館 1985年 あらすじと感想 おじいさんがつくった大きなどろにんぎょうが動きだし、おばあさんを飲み込み、おじいさんも飲み込みこんでしまいます。そして通りを歩いていたふたりの娘が持ってい…

もっちゃう もっちゃう もうもっちゃう

『もっちゃう もっちゃう もうもっちゃう』 土屋富士夫 作 徳間書店 2000年 あらすじと感想 デパートへやってきたひでくんという男の子が受付のおねえさんに「あのー、そのー、……おしっこ どこですか」と聞くところからお話がはじまります。エレベーターに乗…

ちいさな くれよん

『ちいさな くれよん』 篠塚かをり 作 安井 淡 絵 金の星社 1979年 あらすじと感想 捨てられたちっちゃな黄色いクレヨンが主人公です。まだ、描けるのに、きれいに塗れるのに…。黄色いクレヨンはまだ自分が役に立てるはずだとゴミ箱から広い世界へと出て行き…

モリス・レスモアとふしぎな空とぶ本

『モリス・レスモアとふしぎな空とぶ本』 ウィリアム・ジョイス 作 おびかゆうこ 訳 徳間書店 2012年 あらすじと感想 モリスは物語を読むのが大好き。自分でも本を書いています。毎日、うれしかったこと、かなしかったことなど残らずその本に書いているので…

ぼくはジャガーだ

『ぼくはジャガーだ』 ウルフ・スタルク 著 アンナ・ヘグルンド 絵 いしい としこ 訳 ブッキング(復刻刊)2007年 あらすじと感想 ちいさい男の子エルマーは、ある夜、突然ジャガーになってしまいます。パパもママもジャガーになったことに気づきません。エ…

ぼくのうちに波がきた

『ぼくのうちに波がきた』 オクタビオ・パス 原作 キャサリン・コーワン 著 マーク・ブエナー 絵 中村 邦生 訳 岩波書店 2003年 あらすじと感想 海へはじめて行った男の子。帰ろうとしたら、波がひとつ海からちぎれてついてきてしまいます。男の子は、波を列…

ペレのあたらしいふく

『ペレのあたらしいふく』 エルサ・ベスコフ 作 おのでら ゆりこ 訳 福音館書店 1976年 あらすじと感想 ペレの飼っている子羊は大きくなりました。ペレも背が伸びて上着は短くなるばかり。ある日ペレは、子羊の毛をぜんぶ刈り取りました。それをおばあちゃん…

にこにこでんしゃ

『にこにこでんしゃ』 ふくだすぐる 作・絵岩崎書店 2006年 あらすじと感想 ウサギとカメ、おサルとカニを乗せて走るカラフルな色の電車。その電車が急に止まります。なにがあったのでしょう? ネコが道をわたっていたのです。ガタンガタンゴトンゴトンと電…

うさぎのおるすばん

『うさぎのおるすばん』 イ ホベク 作 黒田 福美 訳 平凡社 2003年 あらすじと感想 ある日、ベランダに飼われているうさぎが家の人の留守にこっそりなかに入りこみます。冷蔵庫をのぞいてみたり、おかしを食べながらビデオを見たりします。お母さんの鏡台で…

おうさまのハンカチ

『おうさまのハンカチ』宮地 延江 作ひさかたチャイルド 1984年 あらすじと感想 ある国にわすれん坊のおうさまがいました。朝、きれいにアイロンをかけたハンカチを渡されても夕方にはもうどこかへ置き忘れる始末。たまりかねたお妃は、これまでなくしたハン…

あいしているから

『あいしているから』 マージョリー ニューマン 文 パトリック ベンソン 絵 評論社 2003年 あらすじと感想巣から落ちてしまったひなどり。おやどりはいくら待っても助けにこないので、モールくんは家に連れて帰ります。巣箱をつくり、友だちやお母さんも手伝…

雪の写真家 ベントレー

『雪の写真家 ベントレー』 ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン 作 メアリー・アゼアリアン あらすじと感想今から100年以上前、雪の結晶の写真撮影に情熱をそそぎこんだ人がいました。アメリカ・バーモント州の雪深い村で生まれたウィリー・ベントレーで…

おにたのぼうし

『おにたのぼうし』あまん きみこ 文 いわさき ちひろ 絵ポプラ社 1982年 あらすじと感想 ある家の物置小屋に“おにた”という黒オニの子どもが住んでいました。でも、節分の夜、その家の男の子が豆まきをしにやってきたのです。おにたは、ツノをかくす麦わら…