絵本の旅人

「読み聞かせ」のための実践レポートです!

2016-01-01から1年間の記事一覧

アンジュール

『アンジュール』 ガブリエル バンサン 作 ブックローン出版 1986年 あらすじと感想 この絵本には文字がありません。言葉がありません。クロッキーで描かれたスケッチ画のみでストーリーが展開されるのです。読むことも聞かす必要もありませんから、読み聞か…

まさ夢いちじく

『まさ夢いちじく』 クリス・ヴァン・オールズバーグ 作 村上 春樹 訳 河出書房新社 1994年 あらすじと感想 神経質で自分の飼い犬にも冷たい歯科医のピボット。ある日、歯を病んだおばあさんがやってきて治してあげます。ところがおばあさんはお金がなく、治…

ぼくのうちに波がきた

『ぼくのうちに波がきた』 キャサリン・コーワン 作 オクタビオ・パス 原作 マーク・ブエナー 絵 中村 邦生 訳 岩波書店 2003年*******essay クマやネコやカエルが擬人化された物語はたくさんある。絵本のなかでは、クルマや機関車もおこったり、泣い…

太陽をかこう

『太陽をかこう』 ブルーノ・ムナーリ 作 須賀敦子 訳 至光社 1984刊 たしか4歳だったか、保育園の窓ガラス越しに太陽をじっと瞬きもせずに見つめたことがあった。それ以来、まっしろく輝く真円の太陽が記憶の空に張り付いたままだ。目によくないとはわかり…

アンディとらいおん

『アンディとらいおん』 ジェームズ・ドーハーディ 文・絵 むらおか はなこ 訳 あらすじと感想 図書館からライオンの本を借りてきたアンディ。夢中になって本を読み、頭のなかはもうライオンのことでいっぱいに。朝、学校へ行く途中、アンディはなんとライオ…

ルピナスさん

『ルピナスさん』 バーバラ・クーニー 作 掛川 恭子 訳 あらすじと感想 遠い国々の話をおじいちゃんからたくさん聞かせてもらった女の子。いつか自分も大きくなったら遠くへ行きたいと思います。「世の中を、もっとうつくしくするために、なにかしてもらいた…

かわっちゃうの?

『かわっちゃうの?』 アンソニー ブラウン 作 さくま ゆみこ 訳 評論社 2005年 あらすじと感想 やかんにしっぽや耳が生えてきたり、ルームシューズに羽が伸びてきたり、男の子の身の回りで不思議な変化が起こりはじめます。洗面台の排水口がくちびるになっ…

エミリー

『エミリー』 マイケル・ビダード 文 掛川恭子 訳 バーバラ・クーニー 絵 ほるぷ出版 詩人、エミリー・ディキンスンは、晩年の25年間、屋敷から外へ一歩も出ようとしなかったといいます。でも、庭だけはべつで、草花を愛した彼女は、腕のいいガーディニスト…

綱渡りの男

『綱渡りの男』 モーディカイ・ガースティン 作 川本 三郎 訳 2005年 小峰書店 あらすじと感想 ニューヨークで一番高いビル。400メートルもあるビルとビルの間を命綱なしで綱渡りしようとした若い男がいました。1974年夏のことです。男の名はフィリップ・プ…