絵本の旅人

「読み聞かせ」のための実践レポートです!

にこにこでんしゃ

 

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『にこにこでんしゃ』
 ふくだすぐる 作・絵
岩崎書店 2006年
                           

あらすじと感想

ウサギとカメ、おサルとカニを乗せて走るカラフルな色の電車。その電車が急に止まります。なにがあったのでしょう? ネコが道をわたっていたのです。ガタンガタンゴトンゴトンと電車は走り出します。電車の中にはキツネとタヌキ、クマとキンタロウも乗っています。今度はスピードを落として静かに走ります。なぜでしょう? 赤ちゃんが眠っているのです。ガタンガタンゴトンゴトン、電車が走り出します。オオカミとヤギが乗っています。3匹のこぶたも。今度は突然、電車が止まります。なにがあったのでしょう? イヌがみぞにはまって動けなくなっていたのです。運転手さんが助けてあげます。のんびりと走る電車にやさしい運転手さん、乗客はお話しに出てくる動物たち。絵本の中だけにある、のんびりとした時間がガタンガタンゴトンゴトンと流れていきます。

 

読み聞かせレポート
対象:  3歳・低学年 2名 
場所: 自宅

家に遊びに来た隣家の3歳の男の子と1年生の娘に読み聞かせました。この絵本の読み聞かせのキモは「ガタンガタンゴトンゴトン」という電車の音とその音と同調したゆったりとした“間”です。各駅停車のスピードの遅い電車に乗ると、ついウトウトとしてしまいますね。あの眠りにみちびくようなリズムを思い出して読みはじめるといいかもしれません。電車の前にネコやイヌなどがあらわれますが、とても小さく描かれています。子どもたちは気がつかないときは、そっと指し示してあげましょう。ちょっとだけ、変化をつけた方がいい場面は、電車が山を登っていくところです。ここは発声のキーを上げ、力強く進んでいく感じを出しました。