絵本の旅人

「読み聞かせ」のための実践レポートです!

うしかたと山んば

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『うしかたと山んば』
坪田譲治 作  村上 豊 絵
ほるぷ出版 1986年初版

 

あらすじ

うしかたが、あるとき塩鯖(さば)をたくさん牛の背に積んで山の峠を越えようとしていると、山んばにであってしまいます。「うしかた、うしかた。さばをいっぴきくれい」と山んばにいわれて鯖をやりますが、荷がぜんぶなくなるまで食べ尽くされてしまいます。つぎは牛が犠牲になってしまいます。ついには「きさまをとってくう」といわれて、うしかたは逃げに逃げて池のそばの木によじのぼり、なんとか助かりました。やがて、たどり着いたのはなんと山んばの家。うしかたは天井にかくれ、ようすをうかがいます。帰ってきた山んばは、腹をすかせモチを食べようとします。うしかたもお腹がすいてどうしようもありません。そして、天井から棒でモチを刺して食べてしまいました。さあ、山んばは・・・。

 

読み聞かせレポート        
 対象: 小学1年 6人    
 場所: 学童保育クラブ

この絵本でせりふをいうのは、うしかたと山んばだけです。山んばのおそろしいせりふに合うように少し大げさな声色をつかいました。山んばの家についてから、話しの流れが変わります。追われていたうしかたが、天井から山んばを見下ろす立場になるのです。もちろんまだまだ気が抜けない状況にありますが、食べものをうしかたに取られて、そしてだまされる間抜けな山んば。声をこわいトーンからおもしろトーンに変えてみました。つぎつぎとなくなる食べものを神様のせいにするせりふ、「ひのかみひのかみ」はくりかえされるせりふですが、そこで笑い声をあげてよろこぶ子どもたちもいましたよ。ここが読み聞かせ後半のハイライトかもしれませんね。